【予防】犬の目を紫外線から守る

今年も紫外線対策に気を付ける季節がやってきました。人の場合は、日焼け止めやサングラスなどを使いケアすることができますが、犬の場合は自身で対策ができないため、飼い主さんのケアが必要です。紫外線は降り注ぐものだけではありません。犬の場合はアスファルトからの照り返しなどもダイレクトに影響します。この記事では、紫外線が犬の目にどのような悪影響を及ぼすのか、また、ご家庭でできる対策についてお話します。

目次

目の構造

まずは、目の構造を簡単にご説明します。いちばん外側に位置する透明な膜は「角膜」です。表面に細胞が密に配列され、細菌やウィルスの侵入を防ぎます。また、涙で湿っているので、レンズのように物をはっきりと見る役割を持っています。

「角膜」は、外側から上皮、実質、デスメ膜、内皮の4つの層で構成されています。上皮は自然のサイクルで新しい細胞に入れ替わります。そうすることで、レンズの透明性が維持されています。血管のない透明な膜ですが、知覚神経は無数にありますので、傷などができた場合は激しい痛みを感じます。また、角膜の奥には「虹彩」という膜があり、その中心部に「水晶体」が存在しています。

紫外線により影響を受ける目の部位

人では、紫外線を無防備に浴びることによって、角膜炎(雪目)や結膜充血の原因になることもあります。犬においても同じことが言え、角膜はある程度の紫外線には耐えられますが、強い日差しなどを浴び続けることは、角膜だけでなく目の他の部位にとっても悪影響を及ぼします。白内障などは代表的な目の病気です。

こんな症状はありませんか

・前手で目を触ろうとしたり、掻こうとする

・目がしょぼしょぼして半開きになっている

・目をしばしばさせる、瞬きが多い

・目をカーペットや壁などにこすりつけるようにする

・目が白っぽい(または充血している)

これらは、角膜炎や結膜炎、白内障などの症状かもしれません。そうでなくても、目に何らかの違和感を覚えている症状です。もしかして…。と思い当たることがあれば、早めの動物病院への受診をおすすめします。

ご家庭でできる予防

人と同じように、紫外線防止対策としてサングラスは効果的といえます。しかし、犬の場合はサングラス(ゴーグルなど)を付けることが難しいため、帽子をかぶせる飼い主さんが増えています。また、紫外線を浴びにくい時間帯に散歩をする対策を取っている方もいらっしゃいます。

身体全体への紫外線には、人と同じように日傘を差したり、皮膚のダメージ防止にはUVカット加工の洋服を着せることも効果があります。

紫外線を浴び過ぎた目が弱らないように、紫外線対策用の目薬を獣医さんに処方してもらうという飼い主さんもいます。長期にわたって治療をする白内障は、こまめな定期検診を行うことで発見し、進行を防ぐことができます。さらにひと手間を掛け、酸化を防ぐ抗酸化サプリメントなどを併用し、早期にケアをすることも大事です。

紫外線は目に見えるものではなく、愛犬が自分で防げるものでもありません。正しい情報を理解していただき、強い紫外線から愛犬の目を守っていきましょう。

~書き手~

岩井 ゆかり

日本初・ウェディング専門ペットシッター銀座INPET代表。ペット業界で培った20年あまりの経験を活かし、人とペットの豊かな共生に向けて情報発信をしている。著書に「育犬ノイローゼかな?と思ったら読む本~しつけの悩みを解消して子犬との楽しい日々を取り戻すコツ~」などがある。

≪保有資格≫犬猫行動アナリスト、JKC公認訓練士、JKC公認トリマーA級、ペット栄養管理士

HP:https://inpet.staba.jp/

インスタグラム: https://www.instagram.com/inpet_wedding_/

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